調査

本当は何日分の入院保障があれば安心なのか?業界のタブー「原因別入院日数」を調べてみた

投稿日:2012年10月22日 更新日:

保険や共済を選ぶときに、いつも迷うのが「入院給付の上限日数」。60日、120日、180日、360日、上限なし、とさまざまなタイプの医療保険が発売されています。上限が短ければ短いほど安くなるのはわかるのですが、あまりに短いものを選んでしまってイザという時に役に立たなかったら意味がありません。

と思っていたら、価格.com が「入院・費用相場シミュレーション」なる凄いものをいつの間にか公開していたのを発見しました。これを参考にして考えてみたいと思います。

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「入院費用相場シミュレーション」をもとに原因別入院日数を調べてみた

一番不安な「ガン」の平均入院日数はどれくらい?

「がん保険」といった商品があるくらいに、もっとも長期化しやすいと思われている「ガン」ですが、実際はどれくらいかかるのでしょうか?

ガンの平均入院日数

1位:悪性リンパ腫など(36.1日)
2位:胃がん(胃癌)など(26.7日)
3位:肺がん(肺癌)など(26.3日)
4位:前立腺がん/食道がん/卵巣がんなど(24.3日)
5位:肺がん(肺がん)など(22.6日)

平均入院日数が長いガンを5つ選んでみましたが、いずれも平均入院日数は1ヶ月前後とそこまで長くないようです。ベッド数も慢性的に不足しており、入院の短期化が起きているというのはやはり正しそうです。ただし、ガンの場合は、入院・手術のあとの「通院」がだらだらと辛く長引くものだと思いますので、がん保険に加入するとするならば、重視すべきは入院保障よりも「通院保障」や「がん告知時の受取金」といったものかもしれません。

恐ろしい「脳内出血」の平均入院日数や治療費相場は?

いかにも長期化しそうな「脳内出血」の平均入院日数はどれくらいでしょうか?

脳内出血の相場

シミュレーションによると、およそ120日程度とのこと。手術なしの場合だと133.8日とかえって長くなるのは、もしかして「手の施しようがない状態」ということなのでしょうか?治療費相場としては、だいたい31万円くらいのようです(差額ベッド代含まず)。

入院日数トップ10の病気は?

では、平均入院日数が長くなるトップ10の病気は何なのでしょうか?

入院日数上位

1位:ウイルス性脳炎の続発・後遺症など(1180.7日)
2位:脳動脈硬化症など(733.4日)
3位:統合失調症/パラノイアなど(663.6日)
4位:知的障害など(622.0日)
5位:血管性認知症など(282.2日)
6位:脳性麻痺/片麻痺など(256.6日)
7位:アルツハイマー病など(207.9日)
8位:摂食障害など(125.6日)
9位:脳内出血など(121.7日)
10位:パーキンソン病など(115.6日)

ということになりました。トップ10には、確かに入院の長期化もやむをえない、というような病気が並んでいますね。でも驚きなのは、10位の難病指定のパーキンソン病の段階で既に平均入院日数が120日を切っていること。入院より通院、という流れがあるのだと思います。

結論としては、120日分の入院給付があればおおむね安心か

本来ならば平均だけでなく標準偏差等のデータも欲しいところですが、平均入院日数をもとに保険の入院日数について考えてみたいと思います。平均入院日数が100日を超えるような原因について見てみると、一般にイメージする「病気や事故を治すための手術や安静のために入院している」といった類のものではなく、「いつ治るかわからないような状態」や「介護が必要な状態が続くようなもの」と見ることができます。となれば、これは民間保険でカバーするものと言うよりも、公的助成制度や介護保険等を利用して生活設計そのものを見直すべき事象といえるかもしれません。また、充実した終末期医療を受けるためには、厚くすべきは、リビング・ニーズ特約付きの生命保険なのではないか、とも思えます。

「保険Hacks」の結論としては、入院給付は120日分用意すればおおむね安心と考えるにいたりました。

※ 私は、医療事情に詳しいわけでも、身内にこういった長期入院で苦しんだものがいるわけでもないので、根本的な間違いや、他に触れておくべき観点等がありましたら、Twitter等でお知らせ頂けると幸いです。また、不安な方は経験が豊富なライフプランナー等に相談することをオススメします。

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