保険法

保険に入る前に読みたい法律「保険法」(3)

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第三章 生命保険

    第一節 成立

(告知義務)
第三十七条  保険契約者又は被保険者になる者は、生命保険契約の締結に際し、保険事故(被保険者の死亡又は一定の時点における生存をいう。以下この章において同じ。)の発生の可能性(以下この章において「危険」という。)に関する重要な事項のうち保険者になる者が告知を求めたもの(第五十五条第一項及び第五十六条第一項において「告知事項」という。)について、事実の告知をしなければならない。
(被保険者の同意)
第三十八条  生命保険契約の当事者以外の者を被保険者とする死亡保険契約(保険者が被保険者の死亡に関し保険給付を行うことを約する生命保険契約をいう。以下この章において同じ。)は、当該被保険者の同意がなければ、その効力を生じない。
(遡及保険)
第三十九条  死亡保険契約を締結する前に発生した保険事故に関し保険給付を行う旨の定めは、保険契約者が当該死亡保険契約の申込み又はその承諾をした時において、当該保険契約者又は保険金受取人が既に保険事故が発生していることを知っていたときは、無効とする。
2  死亡保険契約の申込みの時より前に発生した保険事故に関し保険給付を行う旨の定めは、保険者又は保険契約者が当該死亡保険契約の申込みをした時において、当該保険者が保険事故が発生していないことを知っていたときは、無効とする。
(生命保険契約の締結時の書面交付)
第四十条  保険者は、生命保険契約を締結したときは、遅滞なく、保険契約者に対し、次に掲げる事項を記載した書面を交付しなければならない。
一  保険者の氏名又は名称
二  保険契約者の氏名又は名称
三  被保険者の氏名その他の被保険者を特定するために必要な事項
四  保険金受取人の氏名又は名称その他の保険金受取人を特定するために必要な事項
五  保険事故
六  その期間内に保険事故が発生した場合に保険給付を行うものとして生命保険契約で定める期間
七  保険給付の額及びその方法
八  保険料及びその支払の方法
九  第五十六条第一項第一号の通知をすべき旨が定められているときは、その旨
十  生命保険契約を締結した年月日
十一  書面を作成した年月日
2  前項の書面には、保険者(法人その他の団体にあっては、その代表者)が署名し、又は記名押印しなければならない。
(強行規定)
第四十一条  第三十七条の規定に反する特約で保険契約者又は被保険者に不利なもの及び第三十九条第二項の規定に反する特約で保険契約者に不利なものは、無効とする。
    第二節 効力

(第三者のためにする生命保険契約)
第四十二条  保険金受取人が生命保険契約の当事者以外の者であるときは、当該保険金受取人は、当然に当該生命保険契約の利益を享受する。
(保険金受取人の変更)
第四十三条  保険契約者は、保険事故が発生するまでは、保険金受取人の変更をすることができる。
2  保険金受取人の変更は、保険者に対する意思表示によってする。
3  前項の意思表示は、その通知が保険者に到達したときは、当該通知を発した時にさかのぼってその効力を生ずる。ただし、その到達前に行われた保険給付の効力を妨げない。
(遺言による保険金受取人の変更)
第四十四条  保険金受取人の変更は、遺言によっても、することができる。
2  遺言による保険金受取人の変更は、その遺言が効力を生じた後、保険契約者の相続人がその旨を保険者に通知しなければ、これをもって保険者に対抗することができない。
(保険金受取人の変更についての被保険者の同意)
第四十五条  死亡保険契約の保険金受取人の変更は、被保険者の同意がなければ、その効力を生じない。
(保険金受取人の死亡)
第四十六条  保険金受取人が保険事故の発生前に死亡したときは、その相続人の全員が保険金受取人となる。
(保険給付請求権の譲渡等についての被保険者の同意)
第四十七条  死亡保険契約に基づき保険給付を請求する権利の譲渡又は当該権利を目的とする質権の設定(保険事故が発生した後にされたものを除く。)は、被保険者の同意がなければ、その効力を生じない。
(危険の減少)
第四十八条  生命保険契約の締結後に危険が著しく減少したときは、保険契約者は、保険者に対し、将来に向かって、保険料について、減少後の当該危険に対応する保険料に至るまでの減額を請求することができる。
(強行規定)
第四十九条  第四十二条の規定に反する特約で保険金受取人に不利なもの及び前条の規定に反する特約で保険契約者に不利なものは、無効とする。
    第三節 保険給付

(被保険者の死亡の通知)
第五十条  死亡保険契約の保険契約者又は保険金受取人は、被保険者が死亡したことを知ったときは、遅滞なく、保険者に対し、その旨の通知を発しなければならない。
(保険者の免責)
第五十一条  死亡保険契約の保険者は、次に掲げる場合には、保険給付を行う責任を負わない。ただし、第三号に掲げる場合には、被保険者を故意に死亡させた保険金受取人以外の保険金受取人に対する責任については、この限りでない。
一  被保険者が自殺をしたとき。
二  保険契約者が被保険者を故意に死亡させたとき(前号に掲げる場合を除く。)。
三  保険金受取人が被保険者を故意に死亡させたとき(前二号に掲げる場合を除く。)。
四  戦争その他の変乱によって被保険者が死亡したとき。
(保険給付の履行期)
第五十二条  保険給付を行う期限を定めた場合であっても、当該期限が、保険事故、保険者が免責される事由その他の保険給付を行うために確認をすることが生命保険契約上必要とされる事項の確認をするための相当の期間を経過する日後の日であるときは、当該期間を経過する日をもって保険給付を行う期限とする。
2  保険給付を行う期限を定めなかったときは、保険者は、保険給付の請求があった後、当該請求に係る保険事故の確認をするために必要な期間を経過するまでは、遅滞の責任を負わない。
3  保険者が前二項に規定する確認をするために必要な調査を行うに当たり、保険契約者、被保険者又は保険金受取人が正当な理由なく当該調査を妨げ、又はこれに応じなかった場合には、保険者は、これにより保険給付を遅延した期間について、遅滞の責任を負わない。
(強行規定)
第五十三条  前条第一項又は第三項の規定に反する特約で保険金受取人に不利なものは、無効とする。
    第四節 終了

(保険契約者による解除)
第五十四条  保険契約者は、いつでも生命保険契約を解除することができる。
(告知義務違反による解除)
第五十五条  保険者は、保険契約者又は被保険者が、告知事項について、故意又は重大な過失により事実の告知をせず、又は不実の告知をしたときは、生命保険契約を解除することができる。
2  保険者は、前項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、生命保険契約を解除することができない。
一  生命保険契約の締結の時において、保険者が前項の事実を知り、又は過失によって知らなかったとき。
二  保険媒介者が、保険契約者又は被保険者が前項の事実の告知をすることを妨げたとき。
三  保険媒介者が、保険契約者又は被保険者に対し、前項の事実の告知をせず、又は不実の告知をすることを勧めたとき。
3  前項第二号及び第三号の規定は、当該各号に規定する保険媒介者の行為がなかったとしても保険契約者又は被保険者が第一項の事実の告知をせず、又は不実の告知をしたと認められる場合には、適用しない。
4  第一項の規定による解除権は、保険者が同項の規定による解除の原因があることを知った時から一箇月間行使しないときは、消滅する。生命保険契約の締結の時から五年を経過したときも、同様とする。
(危険増加による解除)
第五十六条  生命保険契約の締結後に危険増加(告知事項についての危険が高くなり、生命保険契約で定められている保険料が当該危険を計算の基礎として算出される保険料に不足する状態になることをいう。以下この条及び第五十九条第二項第二号において同じ。)が生じた場合において、保険料を当該危険増加に対応した額に変更するとしたならば当該生命保険契約を継続することができるときであっても、保険者は、次に掲げる要件のいずれにも該当する場合には、当該生命保険契約を解除することができる。
一  当該危険増加に係る告知事項について、その内容に変更が生じたときは保険契約者又は被保険者が保険者に遅滞なくその旨の通知をすべき旨が当該生命保険契約で定められていること。
二  保険契約者又は被保険者が故意又は重大な過失により遅滞なく前号の通知をしなかったこと。
2  前条第四項の規定は、前項の規定による解除権について準用する。この場合において、同条第四項中「生命保険契約の締結の時」とあるのは、「次条第一項に規定する危険増加が生じた時」と読み替えるものとする。
(重大事由による解除)
第五十七条  保険者は、次に掲げる事由がある場合には、生命保険契約(第一号の場合にあっては、死亡保険契約に限る。)を解除することができる。
一  保険契約者又は保険金受取人が、保険者に保険給付を行わせることを目的として故意に被保険者を死亡させ、又は死亡させようとしたこと。
二  保険金受取人が、当該生命保険契約に基づく保険給付の請求について詐欺を行い、又は行おうとしたこと。
三  前二号に掲げるもののほか、保険者の保険契約者、被保険者又は保険金受取人に対する信頼を損ない、当該生命保険契約の存続を困難とする重大な事由
(被保険者による解除請求)
第五十八条  死亡保険契約の被保険者が当該死亡保険契約の当事者以外の者である場合において、次に掲げるときは、当該被保険者は、保険契約者に対し、当該死亡保険契約を解除することを請求することができる。
一  前条第一号又は第二号に掲げる事由がある場合
二  前号に掲げるもののほか、被保険者の保険契約者又は保険金受取人に対する信頼を損ない、当該死亡保険契約の存続を困難とする重大な事由がある場合
三  保険契約者と被保険者との間の親族関係の終了その他の事情により、被保険者が第三十八条の同意をするに当たって基礎とした事情が著しく変更した場合
2  保険契約者は、前項の規定により死亡保険契約を解除することの請求を受けたときは、当該死亡保険契約を解除することができる。
(解除の効力)
第五十九条  生命保険契約の解除は、将来に向かってのみその効力を生ずる。
2  保険者は、次の各号に掲げる規定により生命保険契約の解除をした場合には、当該各号に定める保険事故に関し保険給付を行う責任を負わない。
一  第五十五条第一項 解除がされた時までに発生した保険事故。ただし、同項の事実に基づかずに発生した保険事故については、この限りでない。
二  第五十六条第一項 解除に係る危険増加が生じた時から解除がされた時までに発生した保険事故。ただし、当該危険増加をもたらした事由に基づかずに発生した保険事故については、この限りでない。
三  第五十七条 同条各号に掲げる事由が生じた時から解除がされた時までに発生した保険事故
(契約当事者以外の者による解除の効力等)
第六十条  差押債権者、破産管財人その他の死亡保険契約(第六十三条に規定する保険料積立金があるものに限る。次項及び次条第一項において同じ。)の当事者以外の者で当該死亡保険契約の解除をすることができるもの(次項及び第六十二条において「解除権者」という。)がする当該解除は、保険者がその通知を受けた時から一箇月を経過した日に、その効力を生ずる。
2  保険金受取人(前項に規定する通知の時において、保険契約者である者を除き、保険契約者若しくは被保険者の親族又は被保険者である者に限る。次項及び次条において「介入権者」という。)が、保険契約者の同意を得て、前項の期間が経過するまでの間に、当該通知の日に当該死亡保険契約の解除の効力が生じたとすれば保険者が解除権者に対して支払うべき金額を解除権者に対して支払い、かつ、保険者に対してその旨の通知をしたときは、同項に規定する解除は、その効力を生じない。
3  第一項に規定する解除の意思表示が差押えの手続又は保険契約者の破産手続、再生手続若しくは更生手続においてされたものである場合において、介入権者が前項の規定による支払及びその旨の通知をしたときは、当該差押えの手続、破産手続、再生手続又は更生手続との関係においては、保険者が当該解除により支払うべき金銭の支払をしたものとみなす。
第六十一条  死亡保険契約の解除により保険契約者が保険者に対して有することとなる金銭債権を差し押さえた債権者が前条第一項に規定する通知をした場合において、同条第二項の規定による支払の時に保険者が当該差押えに係る金銭債権の支払をするとすれば民事執行法(昭和五十四年法律第四号)その他の法令の規定による供託をすることができるときは、介入権者は、当該供託の方法により同項の規定による支払をすることができる。
2  前項の通知があった場合において、前条第二項の規定による支払の時に保険者が当該差押えに係る金銭債権の支払をするとすれば民事執行法その他の法令の規定による供託の義務を負うときは、介入権者は、当該供託の方法により同項の規定による支払をしなければならない。
3  介入権者が前二項の規定により供託の方法による支払をしたときは、当該供託に係る差押えの手続との関係においては、保険者が当該差押えに係る金銭債権につき当該供託の方法による支払をしたものとみなす。
4  介入権者は、第一項又は第二項の規定による供託をしたときは、民事執行法その他の法令の規定により第三債務者が執行裁判所その他の官庁又は公署に対してすべき届出をしなければならない。
第六十二条  第六十条第一項に規定する通知の時から同項に規定する解除の効力が生じ、又は同条第二項の規定により当該解除の効力が生じないこととなるまでの間に保険事故が発生したことにより保険者が保険給付を行うべきときは、当該保険者は、当該保険給付を行うべき額の限度で、解除権者に対し、同項に規定する金額を支払わなければならない。この場合において、保険金受取人に対しては、当該保険給付を行うべき額から当該解除権者に支払った金額を控除した残額について保険給付を行えば足りる。
2  前条の規定は、前項の規定による保険者の解除権者に対する支払について準用する。
(保険料積立金の払戻し)
第六十三条  保険者は、次に掲げる事由により生命保険契約が終了した場合には、保険契約者に対し、当該終了の時における保険料積立金(受領した保険料の総額のうち、当該生命保険契約に係る保険給付に充てるべきものとして、保険料又は保険給付の額を定めるための予定死亡率、予定利率その他の計算の基礎を用いて算出される金額に相当する部分をいう。)を払い戻さなければならない。ただし、保険者が保険給付を行う責任を負うときは、この限りでない。
一  第五十一条各号(第二号を除く。)に規定する事由
二  保険者の責任が開始する前における第五十四条又は第五十八条第二項の規定による解除
三  第五十六条第一項の規定による解除
四  第九十六条第一項の規定による解除又は同条第二項の規定による当該生命保険契約の失効
(保険料の返還の制限)
第六十四条  保険者は、次に掲げる場合には、保険料を返還する義務を負わない。
一  保険契約者、被保険者又は保険金受取人の詐欺又は強迫を理由として生命保険契約に係る意思表示を取り消した場合
二  死亡保険契約が第三十九条第一項の規定により無効とされる場合。ただし、保険者が保険事故の発生を知って当該死亡保険契約の申込み又はその承諾をしたときは、この限りでない。
(強行規定)
第六十五条  次の各号に掲げる規定に反する特約で当該各号に定める者に不利なものは、無効とする。
一  第五十五条第一項から第三項まで又は第五十六条第一項 保険契約者又は被保険者
二  第五十七条又は第五十九条 保険契約者、被保険者又は保険金受取人
三  前二条 保険契約者

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