この本は「別冊宝島 1934号 よい保険・悪い保険2013年度版」を改訂し、文庫化したものです。生命保険・医療保険・自動車保険について全体的に学べ、見渡せる本です。保険会社・プランを実名で掲載し、ファイナンシャルプランナーへのアンケートを基にベスト&ワーストランキングを載せています。
【構成】
- はじめに
- Prologue
- Part1 25人のプロが推薦!! 最新! ジャンル別生命保険ランキング
- Part2 プロが設計! 具体例で見る保険の見直しシミュレーション
- part3 プロが教える! 失敗しないための保険の選び方・見直し方
- part4 賢い自動車保険&損保の選び方
導入がしっかりしている
保険の知識があまりない人でも入りやすいようになっています。
「はじめに」では、なぜ保険は分かりづらく複雑なのかについてということについて説明があります。また、分かりづらく複雑なので、保険の説明をしつつ、できるだけ条件を同じに設定してランキングを掲載しますということが書かれていました。
「Prologue」の「新しい保険選びの提案」では自分にとってよりよい保険を選べるのは自分だけだという主張とその根拠が書かれています。「保険のしくみを理解しよう」では、必要保障額を正確に把握することを呼びかけています。それから「保険商品簡単ガイド」では、終身保険、定期保険、定期保険特約付終身保険、収入保障保険、医療保険、個人年金保険、アカウント型保険についてそれぞれの特徴をまとめています。
保険料目安付きの比較しやすいランキング形式
「Part1 25人のプロが推薦!! 最新! ジャンル別生命保険ランキング」では、死亡保険、終身保険、定期保険、収入保障保険、医療保険、がん保険、個人年金保険、こども保険、介護保険について、「part4 賢い自動車保険&損保の選び方」では自動車保険のベストランキングを掲載しています。ランクインしている保険商品について、見やすいレイアウトでどのようなプランか紹介しています。
生命保険のランキングでは、比較しやすいよう保険金額を概ね揃え年齢別で保険料例を出しています。また、ワーストランキングも掲載しており、「なぜそういう結果になったのか」というところまで書かれているのでとても参考になります。保障という意味では悪くないが高いとか、融通が利かないとか、様々な特約を含めたセットプランになっているから分かりにくくなっている等指摘されています。
自動車保険については自動車保険のベストランキングの他に、自動車保険の選び方・基礎知識・ここが大きく変わった・コワ~い自動車保険の話まで、じっくり自動車保険について書かれています。
それから、火災保険、自転車の保険、少額短期保険のユニークなものについても紹介されています。
「FPによる合評」で自分では気づかないような視点の意見が読める
Part1には保険種別ごとに「FPによる合評」というコーナーがあり、大変参考になります。ファイナンシャルプランナーの鋭い視点の議論の要点をまとめたものになっています。「○○ならこの保険プランがよい!」というようなある条件下における最適な保険が名指しで書かれており、説得力もあります。
保険の見直しの重要さが表で具体的にわかる
「Part2 プロが設計! 具体例で見る保険の見直しシミュレーション」はまさにその名の通りなのですが、家族構成・求める保障の違う5つのケースを例に保険の見直しをしてみた、というものです。当然、そっくりそのまま自分のケースに一致するわけではありません。しかし、このコーナーの有用性は本当に保険の見直しが必要な場合ってあるんだ、ということが具体的に見えることです。FPが一般にはなかなか知られていない盲点も考慮した上で見直しをしていますし、見直し前・見直し後の視覚的に分かりやすい表が載っています。保険選びや見直しの重要さが身にしみます。
改めて保険の選び方・見直し方について一望できる
「part3 プロが教える! 失敗しないための保険の選び方・見直し方」 では、保険見直しのコツ、保険証券の見方、もしもの時いくら必要かなどのトピックがあります。「生命保険と税金の話」「クレーム・営業トークから見る保険会社の実態」などは知っていて役立つ情報です。
「来店型保険ショップをチェックする」のページは、実際に来店型保険ショップで相談をしたらこんな商品を勧められたという具体例です。こちらの提示した条件とは違うものを勧められているのですが、そういうときに口車に乗らず、担当者にどのような質問を返すべきかということが書いてあります。
「コワ~い生命保険の話」というページは、よく保険会社が保険の大切さを言いたいあまり病気の怖さを煽ってきますが、それよりもよほど怖いことが書いてあります。
全体を読んだ感想
全ての保険商品が載っているわけではありませんが、ランキングに上がってくる有名どころは抑えることができますし、ある程度比較することもできます。保険証券の見方や見直しのポイントなど実用的なことにもふれています。実際に保険選び・見直しをする際に、それぞれの会社のパンフレットとは別に持っておくと辞書的に使える面もあり、ひとつの指針になると思います。文庫サイズで値段もお手頃ですし、1冊あると便利で役に立つ本です。
よりよい条件の保険を選ぶために
生命保険や医療保険に賢く加入するには、複数の保険商品を比較するのがお勧めです。そこで1社専属でなく、複数の保険会社と契約をしているFPと相談できる保険のビュッフェ!というサービスを利用するのがオススメです。各社が力を入れている保険だけをそれぞれ”つまみ食い”して良いとこどりをすることができます。FPは、自宅だけでなく喫茶店、ファミレスなど、どこでも指定した場所にきてくれますので忙しい方でも大丈夫です。当サイトの管理人も利用してみましたが、初回の相談ですぐに保険の契約を求められることはありませんので、まずは各社のパンフレットを見せてもらうといった使いかたもお勧めです。
自宅に来てもらうのはちょっと・・・という場合は、お店を構えている保険ショップがおすすめです。その場合は、日本最大級の保険ショップ「みつばち保険」や、北斗晶夫妻のCMで有名な「保険見直し本舗」など複数のチェーンをまたがって検索できる保険ショップの検索・予約サイトの「LIFULL保険相談」がおすすめです。チェーンによって、駅チカだったりショッピングモール併設店が強かったりと特徴があるのでライフスタイルに合わせて便利な立地の店舗を見つけるのがオススメです。